スクワットの基本!膝を痛めないためのポイントとは?

健康のお話

最近はインストラクターのTV出演が増えてきたり、芸能人での筋トレでムキムキになった人がいたりなど、世間の健康志向が強くなってきているようで、理学療法士としては微笑ましい限りです。

その影響もあって、これまで運動をしていなかった人たちが運動を始めることも増えているでしょう。そういった人たちが自宅でも気軽に出来る自重トレーニングの中にスクワットがあります。

しかし、「たかがスクワット、されどスクワット」で、正しい方法や姿勢を知らないと膝を痛めてしまいます。

膝痛くなっちゃったし、スクワットは合わねぇわ…。止めよ…。

こうなってトレーニングを止めてしまっては、せっかく健康のために始めたのに勿体ないです。というより、健康になるためにスクワットを始めたのに、膝を痛めてしまうのは本末転倒ですよね。

そこで、今回はスクワットで膝を痛めないためのポイントを紹介します!正しいフォームや注意すべきポイントを、理学療法士の視点で一般の人向けに難しいワードを使わずに解説していくので、是非最後まで読んでいってください^^

そもそもスクワットとは?

スクワットはどんな運動なのかを調べると、Wikipediaではこのように書かれています。

スクワット(squat)は、ウエイトトレーニングの基本的な種目でBIG3の1つ(他は、ベンチプレス、デッドリフト)。直立した状態から膝関節の屈曲・伸展を繰り返す運動で、下半身、特に大腿四頭筋・下腿三頭筋・大殿筋・中殿筋などの筋力アップ、筋肥大に大きな効果を持つ。

Wikipediaより引用

このように、基本的な運動であるが故、ダイエット・運動を志したときに、ウォーキング・ランニング・腕立て伏せなどと並び、最初に頭に思い浮かべる運動の1つと言えます。

スクワットで鍛えられる筋肉

スクワットで鍛えられる筋肉は以下の通りです。画像と一緒に見てみてください。

  1. 大腿四頭筋(太ももの前側の筋肉)
  2. 大殿筋(お尻の筋肉)
  3. 中殿筋(股関節側面の筋肉)
  4. 下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)

これらの筋肉はあくまでも一例ですが、いずれも人体の中では大きな筋肉になります。その分、力を使うエネルギーも大きいので、スクワットという運動がダイエットや筋力維持に有効な理由になります。

正しいスクワットの方法

さて、ここからは本題の正しいスクワットの方法を解説していきましょう。

正しいスクワットの姿勢

正しいスクワットの姿勢とは、簡単に言うと「イスの立ち座り」と同じように行う感じの姿勢です。

具体的な姿勢を見せるとこんな感じです。

正しいスクワットの動き

姿勢を見たら、次は動きを見て行きましょう。「イスの立ち座りのように行う」ことが重要なので、まずは椅子に座る様子を見てみます。

順序を言葉で表すと以下のようになります。

  1. 開始姿勢。
  2. 上半身を前傾し、膝を曲げてお尻を後ろに突き出す。
  3. ふくらはぎの筋力を利用してゆっくりと座る。
  4. 座る速度をコントロールしつつ、上半身を起こす。

立つ時はこの逆再生となる感じですね。

スクワットの場合には、上の「4.座る速度をコントロールしつつ、上半身を起こす」を省いた感じに、空気椅子に座ったり立ったりする動きが正しい動きです。

また、重心の位置もかなり重要で、スクワット中には重心が両足の外に出てはいけません。

上図の青の円内部を「支持基底面」と言いますが、この中に自分の重心を残すように行うのが、正しいスクワットの動きになります。

支持基底面の単純な考えとしては、両足の外縁で強めのゴムを広げた状態をイメージしてみてください。そのゴムの内側が「支持基底面」になります。

重心の位置は、正しいフォームで行っていれば、およそヘソのあたりに重心が来るようになっていますから、その位置と支持基底面を意識した動きを心掛けましょう。

間違ったスクワットは膝を壊す

スクワットは場所を問わず、特別な道具が必要ない気軽な運動の代表でもありますが、間違った方法を続けると、いずれ膝関節を悪くする可能性があります。

ということで、間違ったスクワットの例を見てみよう!

間違ったスクワット①:膝が曲がり過ぎ

膝を曲げ過ぎるスクワットを行うことで膝関節にはどういうことが起きるのでしょうか?

膝が曲がり過ぎるスクワットは大腿四頭筋が引っ張られるので、膝蓋骨が膝関節の内側に押し付けられていきます。

すると、膝蓋骨と大腿骨が擦れるようになってしまいます。この擦れの影響が長年続くと「骨棘(こつきょく)」という、関節内にトゲが発生してしまい、膝の痛みに繋がってしまいます。

膝は爪先よりも前に出さない!これ大事!

間違ったスクワット②:上半身を起こしている

上半身を起こしてスクワットをしている人はすごく多いです。が、何故悪いのかと言うと、「重心の位置」「てこの原理」が重要になってくるからです。

まず、正しいスクワットの概略図を見てみましょう。

膝関節を支点として上半身の重量は力点、上半身を支える力が作用点になります。支点と作用点の間に力点が入っていて、綺麗なてこの原理になっていることが分かりますね。

では、上半身を起こしたスクワットの場合を見てみましょう。

上半身を起こした場合、力点が支点と作用点に挟まれておらず、支点と力点との距離も長くなりました。

てこの原理では支点から力点の距離が短いほど、作用点に必要な力が少なく済むのですが、距離が長くなると必要な力が多くなってしまいます。

え?筋トレなんだから強い力の方が良いんじゃないの?

それはスクワットに限っては半分正解、半分間違い!

力をたくさん必要とするということは、大腿四頭筋の力を強く発揮しなくてはならず、その分、膝蓋骨を強く関節に押し付けることになります。

膝蓋骨が強く押し付けられると何故ダメなのかは、前述したとおりですね。

衰えを感じてる人は「椅子の立ち座り」で十分

簡単そうに見えて実は難しいスクワット。年齢を重ねて「運動しなきゃな」と思っているような人には、理学療法士としてはスクワットを実はおススメしてません。

冒頭に「スクワットはイスの立ち座りのように行う」ことが重要と言いましたが、なんなら椅子の立ち座り運動で十分です。

負荷が軽くなるので、筋力アップに重要な回数もこなせるし、 正しい動きになるから故障するリスクも少ないですからね。

運動で大事なのは如何に負荷を強くするかじゃない。如何に長期間持続的に行うかが大事なんだ!

まとめ

以上、スクワットの正しい方法や注意点について解説しました。

スクワットは、簡単に見えて実は非常に奥深い運動です。正しいフォームを守ることで、効果的に筋肉を鍛え、健康維持やダイエットに役立てることができます。

逆に、間違ったやり方を続けてしまうと、膝を痛めるリスクが高くなり、運動自体が続かなくなる可能性もあります。

特に初心者の方や運動不足を感じている方は、無理せず、まずは椅子の立ち座り運動から始めるのも良いでしょう。これなら正しい動きを身に付けながら、安全に筋力アップを図ることができます。

運動は継続が大切です。今回の内容を参考にして、無理のない範囲で楽しみながら健康的な生活を目指しましょう。

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